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書評 『愛のひだりがわ』 筒井康隆

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小学6年の女の子、月岡愛の4年間の成長を描いたジュブナイルです。
彼女はなかなかの美人ですが、小さい頃犬に噛まれた怪我が元で左腕が全く動きません。
しかし、彼女には犬と会話ができるという特殊能力があり、彼女の左側には常に大型犬の愛犬がそばにいます。
ある日、母親が突然亡くなり、経営していた居酒屋は従業員に乗っ取られ、彼女は自分の居場所をなくしてしまいます。
自分の家でも学校でも虐待を受ける彼女は、自分自身の幸せを見つけるために、幼い頃に自分と母親を捨てた父親を探しに街を出て東京へ向かいます。

街の自警団の妨害、詐欺や窃盗、暴走族の抗争やロリコンの魔の手など、様々な危機に遭いながらも、唯一自分の味方だったクラスメイトのサトル君や大型犬のダンとデン、旅の途中に出会った「ご隠居さん」「志津恵さん」「歌子さん」や途中で合流した大勢の野良犬たちに助けられ、4年間の長い旅の末、父親と再会します。

旅の途中、自分の左側に立って味方をしてくれた素晴らしい大人たち。
母を捨て、自分を捨て、自らの欲望のまま、今も自分勝手に惰性で生きる父親。
4年間の旅で人を見る目が養われていた彼女は、そんな父親と決別し、生まれ育った街を出て旅の仲間と生きていく決心をします。
それは同時に、子供時代との決別であり、犬との会話能力の消失であり、長い成長の旅の終わりでもありました。

『家族八景』で見せた人間の内面の醜さと美しさ、『俗物図鑑』で見せた筒井康隆流のドタバタなハプニング、『時をかける少女』で見せた純真な少女の成長ストーリー。
全てが渾然一体となったこの筒井康隆ジュブナイルは、ドキドキ、ハラハラ、ワクワク、イライラ、ハレバレの連続です。

以前紹介した『聖少女』や『赤×ピンク』とは違う、思わずこの子の側にいて守ってあげたくなる、そんな男性視線でみた少女の物語なのです。
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  1. 2011/07/26(火) 09:57:00|
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Author:山女ひろし
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