がやがや2

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書評 『 GOTH 』 乙一

18.jpg猟奇的な闇の世界に異常な関心を示す高校生の主人公と、そのクラスメイトで、似たような趣味を持つゴシックな少女の森野夜が、身近に起こる猟奇的な事件に関わっていく物語です。殺人犯の心理に興味を抱いた主人公が、その心理を探りながら事件の真相を追っていくという推理小説仕立てになっています。
主人公は、時には犯人と接触し、時には事件に巻き込まれそうになりながらも、常に興味本位の傍観者の立場に徹しています。
事件を刑事的に解決させることも、犯人を告発することも全くなく、凶器のナイフを持ち帰ったり、犯人が集めた被害者の手首を盗んで自宅の庭に埋めたりするのです。

特に私が共感したのは、主人公の少年たちの特異なキャラクターです。
幻想怪奇な物事への憧憬を持ちながら、それを表に出すことの危険性を子どもの頃から敏感に感じ取り、表面上はあくまで明るい高校生を演じる主人公。
彼にとって友人や家族との日常会話は、全く記憶に残らないほどの血の通わない無機質で不毛なことであり、そこには自分が存在していません。
そんな彼の姿に自分と同じ雰囲気を感じて、「私にも、その表情の作り方教えてくれる?」と、話しかけるクラスメイトの少女。
彼女は主人公のように器用ではなく、クラスメイトと話が噛み合わずに周囲から浮きまくっていて、変人扱いされているのです。

自分の好きなモノが非社会的や反社会的であるという事でそれをひた隠しにし、世間的にはまともな趣味の人間であるかのように振る舞うことの窮屈さ。
同様の趣味を持つ人間にめぐり逢えた時の連帯感と安堵と開放感。
この作品は、私が昔感じていたそんな自分の精神的な分裂統合の葛藤を思い起こさせます。

善悪の判断も心の葛藤も全く無く、淡々と猟奇的事件を追っていく主人公の様子はまさに斬新で、彼の特異なキャラと住む世界の異常さがさらに引き立てられています。
現実にはありえない話でありながら、無機的に淡々と普通の事のように描写することで、異世界の話でありながら妙な現実感を醸し出している、そんな作品なのです。


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テーマ:読んだ本の感想等 - ジャンル:小説・文学

  1. 2011/09/03(土) 15:54:32|
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山女ひろし

Author:山女ひろし
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