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書評 『るんるんカンパニー』全6巻 とり・みき

28.jpgこの作品は、今から30年ほど前に少年チャンピオンに連載されていたギャグマンガです。
私は昔からマンガが好きなのですが、その中でも特にギャグマンガが大好きです。
今まで多くのギャグマンガを読んできましたが、この作品は私が今まで読んだ中でトップ5に入る作品です。
もちろん、数多くのとり・みき作品の中でも一番好きな作品なのです。

常識はずれの先生とノリのいい執事、天然な少女とツッコミ役のマジメな少年、その他数多くの特異なキャラクターが学園という舞台に集い、落語、漫才、SF、不条理、シュールレアリズムなど、これでもかというくらいてんこ盛りにすべての要素がからみ合って、たたみかけるようなテンポの良いギャグを展開しています。
時おり入る時事ネタなどは時代を感じさせますが、30年経った今読み返しても全く古さを感じさせず、逆にその勢いの凄まじさをヒシヒシと感じてしまいます。

とり・みきは、今ではこれほどハードなギャグマンガは描いておらず、SF的なストーリー漫画やコメディタッチのストーリー漫画、エッセイ漫画や他の漫画家とのコラボ漫画など、その独特の視点とセンスで幅広く活躍しています。
もちろん、これらの作品も作者のセンスがキラリと光っていて大好きなのですが、とり・みきに限らず、ギャグを描く人というのはギャグ漫画家としての寿命はとても短いように思われます。
小説家に転向した山上たつひこ。
失踪して放浪生活をしていた吾妻ひでお。
別のペンネームで細々と漫画を描いていた鴨川つばめ。
白いワニが来るようになった江口寿史。
こうしてみると、何十年もハイテンションでハイレベルなギャグマンガを描き続けられる人はいないように思われます。

私は学生の頃、一度だけギャグマンガを描いたことがありますが、自分で描いてみて初めて、ギャグマンガを作るのは難しいということが分かりました。
普通の人が普通にネタを考えたって、普通の事しか出てこないのです。
常識はずれの衝撃的なギャグというのは、自分の中にある常識を一つひとつ覆していかなければ得られません。
それはまるで、自分の立っている地面を掘り返すような、あるいは他者と繋がっている糸を一本一本ハサミで切っていくかのような作業であり、マンガ1本描くごとに自分の精神を削っていくような作業なのです。
マンガを描き上げた後の私は精神がボロボロになり、元の生活に戻ってみんなと普通に話せるようになるまで数ヶ月かかってしまいました。
1本描いただけでこんな状態なのですから、相当精神力の強い人じゃないと何年もギャグマンガを描き続けるなんて出来ません。
こうして私は、ギャグマンガ家をリスペクトするようになったのです。

この作品以降、この作者が描くマンガは微妙にその方向性を変えていきます。
まるでこの作品が、作者にとってのターニングポイントであったかのようです。
そんな訳で、『るんるんカンパニー』は作者のとり・みきがギャグマンガ家としての才能をフルにアウトプットした、まさに命を削って作り上げた珠玉の作品であるような気がするのです。



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  1. 2011/11/07(月) 11:06:16|
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山女ひろし

Author:山女ひろし
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