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書評 『死と彼女とぼく』 川口まどか

32.jpgこのマンガは23年ほど前に 『週刊少女フレンド』 に連載され、題名と掲載誌を変えてシリーズ化され、今も連載されている超人気少女漫画です。
死者が見えてしまう主人公の少女と、死者やあらゆる生物の声が聞こえてしまう少年。
そんな二人がさまざまな死者と関わりあいながら、生と死の喜び、悲しみ、不条理を心の奥底に刻みつつ、お互いに深い絆で結びつき成長していく物語です。

このマンガは、ジャンルでいえば『ホラー』ということになるのでしょうが、他のホラーマンガと違って『恐怖』が中心ではありません。
主人公の少女は霊を引き寄せてしまう体質であるがゆえに、様々なタイプの死者が寄ってくるのですが、叫ぶわけでも恐怖で顔が歪むわけでもなく、どんな死者にもどんな状況にも無表情に冷静沈着に対応するのです。
人に恨みを持っていたり、自分が死んでいることもわからずに彷徨っていたり、好きだった人のそばにずっと寄り添っていたり、その人の死に関するドラマを浮き彫りにすることで、死者を恐怖の対象とするのではなく一人の人間として扱っています。
死者の死後の行いによって浄化したり暗闇に落ちてしまったりと、日本人が民俗学的に持っている生死観や道徳観とは違った、作者独自の新たな生死観・人生観は、自分を見つめる上でも一つの哲学として大いに参考になります。

このマンガは解釈のしかたによっては、死者が見えるという妄想にとりつかれた少女と死者やあらゆる生物の声の幻聴に悩まされている少年の、心の病に侵された二人の心象風景を表した物語という見方もできます。
自分がマイノリティであることを自覚している主人公の言動は、クラスに必ず一人はいる周りから浮いた孤独な存在として生きている人たちにとっての心の拠り所なのかもしれません。

それにしてもこのマンガ、連載開始直後はかなりマンガっぽい描線の絵なのですが、途中から人物の描き方が、かなり艶かしくエロくなってきます。
そんな絵の変化も楽しみのひとつなのです。



  1. 2012/01/05(木) 02:36:55|
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山女ひろし

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