がやがや2

----------  大人の秘密結社 『がやがや倶楽部』 WEB 版 ---------

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

書評 『方舟さくら丸』 安部公房

AA300.jpg「趣味は?」と聞かれたら、「読書」と答えることにしていますが、厳密にいえば読書そのものが趣味なのではありません。
読んだ本を本棚に入れ、壁一面にぎっしり並んだ本を眺めながら恍惚感に浸るのが趣味なのです。
ですから、図書館から借りてまで読もうとも思わないし、人から薦められても借りようとも思いません。
面白そうなら買っちゃいます。
好きな場所は図書館と本屋。
とりあえず本屋に行けば2~3時間はヒマをつぶすことができます。
時代はすでに電子書籍の時代を迎えようとしており、どう考えても今後は電子書籍が主流となっていくのは確実です。
しかし出版業界は、かつて音楽業界がCD主体からダウンロード主体に激変したような、そんな急激な変化がなかなか進みません。
その原因は、出版業界のほとんどの人が私のような本フェチであるという理由からではないかと、私は密かに疑っているのです・・・

・・・前置きが長くなってしまいました。
で、先日、自分の本棚の安部公房コーナーを見ていてふと気付きました。
「この『方舟さくら丸』って本の内容が全く思いだせないんだけど、どういう内容だったっけ?」
奥付を見ると平成2年の発行になっており、発売されてすぐ買った記憶はあるのですが、内容を覚えていません。
昔読んだ本の内容を覚えていないということはよくあることで、以前このブログでも紹介した『ライ麦』や『異邦人』なんて、内容を覚えていないどころか記憶を捏造していたりするのですから、覚えていなくても全く不思議でもなんでもありません。
ということで、この本も20年ぶりに再読することにしました。
読んでみてびっくり、実はこの本、読まずに本棚に入れていたのでした。
内容を覚えていないのも当たり前。
再読ではなく、買った本を20年後にようやく読んだってヤツですね。

で、前ふりがえらい長くなってしまいました。
この本は、地下採石場跡の巨大な洞窟に核シェルター設備を作り上げ、秘密基地にしていた主人公が、仲間を集めようとしていたときに知り合った者たちが信用できる人物かどうか悩んでいるところに、嫌っていた父親の一味が秘密基地乗っ取りを企て、そのことで、秘密基地を守るべく仲間への信頼が深まったり、仲間の裏切りが起きたりで、物語は銃やダイナマイトを使用して、スリルとサスペンスが入り混じって進行していきます。

「秘密基地」・・・なんて魅惑的な響きでしょうか。
子供の頃、川辺の崖のくぼみを見つけては「秘密基地!」、鬱蒼と茂った木々の中の小さな空間を見つけては「秘密基地!」と言っていたのを思い出してしまいました。
秘密基地というのは、男性の、子供のころからの憧れなのです。
その秘密基地が、大人になったら何になるかというと、『隠れ家』といわれるものになります。
自分だけの行きつけのお店だったり、自分だけの書斎だったり、自分の部屋を改造して趣味の物をずらっと並べたりしてそこに隠れたりするのです。
いったい何から隠れるのか。
『奥さんから隠れる』ということが真理なのは、結婚している男の方なら誰しも実感することでしょう。
ちなみに、私は今一人暮らしなので、家自体が秘密基地です。
いや、気楽でいいわ。

ということでこの作品は、晩年、妾のところに入り浸っていた安部公房だから書き得た、男心を大いに刺激する作品といえるのではないでしょうか。



  1. 2013/09/27(金) 11:03:48|
  2. 書評
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
前のページ 次のページ

プロフィール

山女ひろし

Author:山女ひろし
札幌在住
自由人

カレンダー

08 | 2013/09 | 10
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。