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書評 『「おたく」の精神史 一九八〇年代論』 大塚英志

02021423.jpg世の中が大きく変わった1980年代前半。
当時大学生だった私は、この社会の変化のみならず身の回りの環境の変化と自分自身の頭の中の変化という三重の変化に見舞われていました。
当時の私の周りにはサブカルチャーに精通した一風変わったちょっとクセのある人たちが集まっていて、純真で常識的だった私にはかなり強い刺激でした。
そんな特異な環境の中で生活していた私ですが、特に影響を受けたのは、アニメマニアで自販機本の収集家であった同学年のY氏と、哲学と現代思想と精神世界と奇怪を愛する1学年下のT氏でありました。
Y氏に誘われて自主アニメ上映会に足を運んだり、Y氏の家でアニメ専門誌『OUT』や『アニメージュ』、自販機本『劇画アリス』『漫画エロジェニカ』などを見せてもらったり、T氏に誘われて自主制作映画上映会に行き、『アンダルシアの犬』と『フリークス』の2本立てを観て感動したり、T氏に影響されてニーチェやキェルケゴールといった近代哲学からデリダやソシュール、フッサールなどの現代思想に注目しだしたりと、まるで世の中の動きとリンクするように私の興味も移っていったのです。

本書は、マンガ原作者であり、評論家でもあり、80年代初頭に三流エロマンガ誌『漫画ブリッコ』の編集に携わっていた著者が、80年代に展開されたサブカルチャーの実態と、それに携わった人々やその流れに影響された人々が、その後に展開する90年代の社会にどう影響を及ぼしたかを検証した、自分にはとても身近な1冊です。

激変する三流エロ劇画とロリコンマンガ、少女マンガと吾妻ひでお、初めてマスコミに登場した「新人類」と「おたく」、アイドルとAVとプロレスとUWFとガンダムとヤマト。
それらはまさに当時の私にとっては、身の回りにある自分の全てでした。

本書が、当時著者が置かれていた特殊な立場からかなり偏った観点で書かれているにもかかわらず、それが私の当時の状況とかなりの重なりでリンクしてしまうのは、それが社会のパラダイムの変化という大きなうねりであったからだと思うのです。
私は日本史が好きなのですが、日本史関連の本を読んでいるとタイムマシンでその時代に行って実際に見てみたいと思ってしまいます。
1980年代は、私の中では既に自分で見て自分で体験してきた、とても貴重な日本史の一時代という扱いなのです。
本書は、そんな日本の歴史を、正史ではなく私的な立場から書いた日本現代史といえるでしょう。

ところで、今回掲載した写真は、今書店に並んでいるものとはデザインが違います。
講談社現代新書は何年か前に表紙の装丁を変えてしまい、味も素っ気もないものになってしまったため、私が持っている見栄えのいいこの昔の装丁のものを掲載しました。
たぶん、カバーの印刷費はこの変更で大幅に節減できたと思いますが、同じ書籍でも今のデザインでは全く買う気は起きません。
返って売り上げが落ちたのではないかと、ヒトごとながら懸念してしまいます。




  1. 2013/11/04(月) 14:54:46|
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