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桜庭一樹『私の男』が映画化されが・・・

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昨年は、桜庭一樹の小説がもう1本映画化されています。
小説の方は2007年に直木賞を受賞しており、映画の方は昨年のモスクワ映画祭でグランプリ(最優秀作品賞)を受賞し、主演の浅野忠信は最優秀男優賞を受賞するという、小説も映画も受賞ずくめの作品でした。

内容を掻い摘んで言うと、父と娘の近親相姦の話です。
原作の小説では、養女である娘の結婚を祝うために久しぶりに会う養父との会話から始まり、そこから順々に時代を遡っていきます。
娘の高校時代、東京での生活。
義理の父娘二人きりの生活ですが、この父と娘は肉体関係があり、それと同時に人を殺めたという二重の後ろめたさを二人で抱えて生きています。
娘の中学時代、紋別での生活。
父親の知人のツテで、子供の頃引き取った娘と二人での生活。
実はこの頃から二人は肉体関係にあったのですが、それを父親の知人に知られてしまいます。
その知人は、この義理の父娘が実は血の繋がった父娘であることを知っており、そのことを娘に教えて、すぐに別の親戚に引き取らせようとします。
しかし、実は娘はその事実を知っており、知っていながら父との関係を続けていたのでした。
父と引き離されたくない娘は、その知人を沖へ流れる流氷の上に置き去りにし、見殺しにしてしまうのでした。
娘の子供時代、奥尻島での生活。
北海道南西沖地震の津波により両親と兄弟を全て失い、一人助け出された娘の元に母親の親戚の青年が訪れ、遠い親戚に引き取られようとするこの娘を引き取ります。
実はこの青年、中学時代に親戚である娘の母親の家庭で生活していたときに、その母親と不倫の末できたのがこの娘でした。
娘はその母親と父親の子として出生し育てられていましたが、周りのみんなは不倫の子と知っており、父親もそのことを知っていて自分の子として育てていたのでした。
このように出生時から非業の運命を背負っていた父と娘は、娘の結婚によってやっとその呪縛から解放され、長いトンネルから抜け出たような明るい未来への希望が見えるような感じでエンディングを迎えるのでした。

現在から順々に過去に遡っていき、全て読み終えたときに冒頭のシーンの会話の本当の意味と深みが理解できるという帰納法的な展開は、実は人間の思考の原点であります。
現在の状況から過去の出来事をつなぎあわせて作った物語が歴史であり、自我であり、時間という概念なので、読後の納得感に妙にしっくりくるものがあります。

父と娘の近親相姦というテーマは、私には実感として理解できないテーマではありますが、この小説は、倉橋由美子から繋がる文学作品を継承する作品であり、ライトノベル出身の桜庭一樹がその真骨頂を見せた作品なのです。

さて、映画です。
話の骨子は小説と同じですが、展開は全く逆で、奥尻島の津波のシーンから始まります。
避難所で呆然とする幼女の前に現れた青年(浅野忠信)に引き取られ、紋別で生活する娘(二階堂ふみ)。
近親相姦のシーン、流氷に知人(藤竜也)を置き去りにするシーン、東京での生活と殺人を犯すシーン、そして結婚を祝福するために娘とその婚約者と会食するシーンで幕を閉じます。
この映画、観ましたけど実は苦手というか、不快感しか残りませんでした。
日本映画特有の、暗くて、やるせなくて、閉塞感が漂う映画で、近親相姦のシーンも文章と違って実際に映像で見せられると、ただただ気持ち悪いだけでした。
ここら辺が監督の力量というか、センスというか、送り手の監督と受け手の私の感覚の違いがありますね。
何と言うんでしょうね、ツボとでも言うのでしょうか。

モスクワ映画祭で最優秀作品賞を受賞するくらいですから、芸術的に優れた作品なのは間違いないですし、これがツボにハマる方もいるのでしょう。
でも、私は観ていて正直気持ち悪かったし、観終わったとき『何だこりゃ』と思った映画なのでした。

うーん、惜しい。



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  1. 2015/02/15(日) 13:50:44|
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山女ひろし

Author:山女ひろし
札幌在住
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