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書評 『ヒトラー演説 熱狂の真実』 高田博行

20150412.jpg私は小さい頃からドイツが好きで、この歳になった今でも、心の中にドイツへの憧れの気持ちを持っています。
それは、芸術家がパリを想う気持ちやエンターテイナーがニューヨークを想う気持ち、ミュージシャンがロンドンを想う気持ちと同じなのかもしれません。

ドイツへの憧れの一番古い記憶は、まだ私が小学校に入る前、テレビが白黒放送だった時代のアニメ『サイボーグ009』の、ドイツ人004への憧れです。
有名なアニメなので詳細は省きますが、全身兵器である004は9人のサイボーグ戦士の中で一番強いのではないかという確信と、004のようになりたいという単純な憧れは、中年を過ぎて老年に差しかかった今でも持っていたりします。

大学時代には第2外国語にドイツ語を選択し、必修単位ではないナチズム研究のゼミを専攻してヒトラーとドイツ近代史の書物を読みあさり、大学卒業後30年たった今でも、ナチスドイツに関する書籍やDVDを買ったりしてしまうのでした。

本書も、そんな感じで書店を物色していた時に見つけたのですが、実はこの本、今までにない新たな視点でヒトラーを分析しています。
ヒトラーが政治家として大衆の前に初めて姿を現した1919年からドイツ敗戦の1945年まで、25年間にわたり彼が演説した全てのデータを分析し、どんな単語やどんなセンテンスが一番使われているかを時代ごとに分類することで、言語面と同時にその演説の置かれた社会的・歴史的パラダイムにスポットをあてています。

当時の全てのドイツ人がヒトラーの演説に熱狂して彼を支持し、その結果ドイツは戦争へと突き進んでいったのだから、ヒトラーだけの責任ではなく彼を選んだ全ドイツ人の責任ではないかと、今までイメージしていましたが、本書を読むと決してそうではないように感じます。
ヒトラーを支持していたのは一部の熱狂的な人たちであり、党大会での演説の熱狂はサクラによるものであり、晩年には、人々はラジオから流れるヒトラーの演説にウンザリし、いつまでこの戦争が続くのかといった不安や、はやくこの戦争が終わらないかという願いを持っていたことがうかがえます。
おそらく、こちらの方が真実の姿であって、私が今まで思っていた伝説化されたヒトラーの演説というのは、ヒトラーをカリスマと描くナチスのプロパガンダに今でも自分が影響されているということなのかもしれません。

そんな感じで、本書はまるで、『歴史』というアナログの世界にデジタルな思考と手法を持ち込んだような斬新さを感じる、久々に面白い本なのです。





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  1. 2015/04/12(日) 23:35:02|
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Author:山女ひろし
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