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書評 『少女地獄』 夢野久作

20121124.jpgこの作品は、少女にまつわる3編の物語によるオムニバス小説です。

虚言症の少女が、自らの嘘が真実であることを自分自身に証明するために嘘に嘘を重ね続け、最終的に自ら命を絶ってしまう『何んでも無い』。

バスガイド同士の往復書簡という形式を通して、連続殺人鬼のバス運転手とそれを知っていながら彼に惹かれていくバスガイドとの、虚構と真実が渾然一体となったやり取りを綴った『殺人リレー』。

女子高の物置の火災現場から発見された黒焦げの少女の死体。その発見からその後の経過を追った新聞記事に始まり、少女ふたりの遺書を記者が紹介する形でその真相と顛末が明らかにされていく『火星の女』。

この3編の中では『火星の女』が一番好きでした。

長身でスポーツ万能の少女は、その容姿から「火星さん」と渾名されていました。
いわゆる「火星人」です。

そんな異形の彼女が、彼女を手篭めにした学園の校長に復讐し、この男の今までの過去の悪行を白日のもとにさらけ出すために自らの身を犠牲にし、学園一の美女である同性愛の恋人と一緒に計画したのが、この黒焦げ焼死体事件だったのです。

たとえ校長の甘い言葉がほんの一刻の嘘だったとしても、その容姿故に世間から爪弾きにされていた彼女に初めて優しく接してくれた男性への彼女なりの恩返しと、自分が死んだあとも男性を独り占めしたいという彼女の屈折した愛情故の惨劇だったのかもしれません。

この作品はおそらく昭和10年ころに書かれたと思いますが、小説の奇抜さよりも、そんな時代にすでに「火星人」という渾名が存在していること自体が、私にとっては一番の驚きです。
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  1. 2011/07/28(木) 14:52:00|
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  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

たしかこの作品、映画化されましたよね。
映画は観ていないけど、
アダルトな映画雑誌で紹介されていたのを覚えています。
高校生の頃だったかな。
SMチックな誌面に興奮したような気が・・・
  1. URL |
  2. 2011/08/18(木) 20:46:32 |
  3. クマ #0p.X0ixo
  4. [ 編集 ]

日活ロマンポルノですね。

映画では「火星さん」と恋人の同性愛のシーンがメインになっていましたね。
小説では「殿宮アイ子さんは在学中、私の大切な愛人だったのです。」と、1行サラっと紹介しているだけなんですけどね。

この1行だけで、あの同性愛シーンだらけの映画になるんですから、ものすごい妄想力ですよ。

エロいというよりも、なかなか美しいビジュアルになっていますよ。
  1. URL |
  2. 2011/08/18(木) 20:47:28 |
  3. ヤマメ #m3ZOdJy6
  4. [ 編集 ]

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