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書評 加門七海 『平将門魔方陣』 『大江戸魔方陣』 『東京魔方陣』

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私は以前、4年半ほど東京で仕事をしていましたが、その東京の怪しげな雰囲気が非常に好きでした。
サイバーでデジタルな札幌に比べ、東京はとってもアナログで前時代的で、人々の想念が行動原理を支配するかのような雰囲気を持っていて、世界一近代的な都市とは思えない様相を呈していたからです。
そんな東京時代、私は東京の成り立ちや歴史、地下鉄の成立と地下空間に関する都市伝説、神社仏閣など、東京の闇に関する本を読み漁っていました。
その時読んだうちの一つが、この加門七海の魔方陣三部作でした。

加門七海はホラー系の作家で、自らも様々な霊体験を持つ霊感体質の女性です。
そんな彼女の、友人たちをも巻き込んだ霊体験は、面白かったりゾッとしたりと様々で、彼女原作のマンガだったり霊体験のエッセイだったりと、いろいろな形で出版されています。

ちなみに私は、オカルト系の不思議な話は結構好きなのです。
自分自身は霊体験がありませんし、霊や超常現象自体は信じてはいないのですが、そのもの自体を否定しているわけではありません。
ただの紙切れでしかない紙幣が何でも買えるお金として存在しているのと同様に、霊や神様や超常現象も存在しているのだと思っています。
つまり、どう解釈するかの問題ですので、それらをどう表現するかという点で、加門七海のエッセイには実際のその時の対応や彼女の感性、解釈の面白さがにじみ出ているのです。

で、この本書、話は荒俣宏の帝都物語で広く知られるところになった平将門の首塚から始まります。
恐怖を抱き、ずっと避け続けていた将門の遺跡を、とある縁で訪ねざるを得ない状況になった時のある夜、彼女は将門に関する不思議な夢を見てしまいます。
そしてこれが、あくまでビジネスライクに取材を済ませ終わりにしようとしていた彼女の好奇心に火をつけてしまうのです。
将門ゆかりの神社を訪ね歩き、取材を続けて行く中で、これらの場所を地図に落とすと北斗七星をかたどっていることに彼女は気付きます。
そして、その創建年代を調べた彼女は、家康没後、江戸の守護として日光東照宮に家康を神として祀ったのと同時期に一挙に創建されたのを知って、今まで将門に抱いていた恐怖が誤解であることに気づくと同時に、あの夜に自分が見た夢の意味を理解するのでした。
将門は恐怖の大魔王ではなく、家康とともに東京を守る守護神であり、将門ゆかりの神社は天海僧正によって造られた魔方陣であるということに。

その後の江戸時代、歴代の将軍は寛永寺と増上寺に葬られ、江戸の守護として祀られているとか、江戸城を取り巻く風水に関係する神社仏閣の魔方陣を探り出すことで江戸幕府の呪術計画を暴きだそうと取り組んだのが大江戸魔方陣。
そして、将門ゆかりの地を鉄道がとり囲んでいることに気付いた彼女は、江戸幕府の結界を封じ込めるように作られた、明治新政府が計画した天皇家の闇の力による鉄道での魔方陣を暴きだそうとしたのが東京魔方陣です。

江戸幕府も明治以来の新政府も、闇の力の制御と東京の守護の方法を知っていて意図的に都市計画をしていたのですが、昭和の時代の終わりとともに、今の行政の人々が知らず知らずのうちに結界を壊してしまわないかと危惧している半面、新たな平成時代の魔方陣が構築されつつあるのかもしれないと結んでいます。
東京は、平将門と徳川家、さらには天皇家の闇の力による三重の結界に守られていて、それがゆえに世界一の都市として発展しているかもしれないのです。

あとがきでも書いていましたが、加門七海は風水の専門家でもないし、それを専門に研究しているわけでもないので間違った解釈をしている部分もあるとは思いますが、本書はそれを補って余りある面白さ。
やっぱり東京は、私が最初に感じたとおり、闇の面白さで満ち溢れているのです。




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  1. 2015/03/01(日) 20:45:07|
  2. 書評
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

菅原道真にしても、今では学問の神として、明るく朗らかに祀られているけど、もともとは絶大なる力を持つ怨霊として京都や朝廷を脅かしていたのだし、確かに歴史は裏側があって、それらは巧みにカムフラージュされていて、見えないだけなんだろうね。
御茶ノ水の神田明神に、私はなんとはなく何度か訪れてるけど、あそこは将門だよね。
でもそのことは参拝しててもほとんどクローズアップされてなくて、「江戸、東京108の町の総氏神様」の信仰の対象とされているし、やっぱり秘められた部分にこそ、歴史の本音が脈々と(あるいはおどろおどろしく)流れているということか。
  1. URL |
  2. 2015/03/02(月) 17:20:29 |
  3. 藤 伸一 #-
  4. [ 編集 ]

神田明神は、明治天皇が東京に来た時、平将門が祭神から外され、代わりに少彦名命を勧請したそうです。
これが将門封じの始まりで、そのまま人々から将門が忘れ去られることを狙っていたように思われます。
しかし、大蔵省関係者の連続変死やGHQへの陳情を始め、将門が主人公の大河ドラマなどもあり、人々から忘れ去られるどころか東京の守護神として注目を集めることとなりました。
で、1984年に平将門は再度神田明神に合祀されたということです。
今の神田明神は神社庁に管理されていますから、表向きには将門をクローズアップするわけにはいかないのでしょうね。

・・・などと想像してみるのもおもしろいかなと・・・
  1. URL |
  2. 2015/03/02(月) 22:31:59 |
  3. ヤマメ #-
  4. [ 編集 ]

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